USN Gunner Smock

USN Gunner Smock

1940年代、世界は激動の渦中にありました。
アメリカ海軍(US NAVY)は、太平洋と大西洋の両戦線で過酷な海戦を繰り広げ、
無数の艦艇が鉄火の中を走り続けていました。

USN Gunner Smock(ガンナースモック)は、そんな戦場の 最前線に立つ者のための服でした。



砲を扱う砲撃手たちは、
撃つたびに飛び散る 火薬の火花・薬莢・煤にさらされ、
その身は常に危険と隣り合わせ。

制服や肌を守るためには、
炎や汚れを受けても壊れないタフなシェルが必要でした。




またガンナースモックは、
海に落ちた味方を助けたり、
被弾した艦の洗浄や除染を行う救難・除染の作業服としても活躍しました。

燃料の飛沫
洗浄液・化学汚染
波しぶき・強風
洋上での作業は、服の傷みやすい環境ばかり。
だからこそ 防汚性・防炎性・防滴性が求められたのです。


戦闘中、砲台を動き回り続けるガンナーにとって
風の侵入を防ぐプルオーバー型
ヘルメットの上からかぶれる巨大なフード
強い縫製と厚手の布
これらは全て、
「動きやすさ」と「生存率」を引き上げるための必然。
デザインのすべてが命を守るために存在した。
その“必然の美しさ”こそ、ガンナースモックの魅力です。



戦争という残酷な背景から生まれたガンナースモック。
しかし、その中で研ぎ澄まされた機能は、
現代のファッションにおいても通用します。

ミニマルで力強い造形
機能がデザインに直結した説得力
使い込むほど味の出る素材

70年以上の時を超えて、今も多くのブランドが参考にし、
ヴィンテージ市場では希少価値が上がり続けているのは、
単なる“軍物”ではなく本物の実用美だから。


私たちは、その服が背負ってきた物語を、
今を生きる誰かの一着として蘇らせたい。
40年代の海で育まれた機能美を、
現代に寄り添う形で再解釈していきます。



このガンナースモックの再解釈プロジェクトは、2026年秋冬コレクションに向けて進行しています。

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