100 year old fabric sample book
100年前のフランスの生地サンプル帳をもとに、独自の生地を制作しました。このサンプル帳は、クロード・フレール社(J. & CO., Paris)によって発行されたもので、当時のシャツ生地の見本が集められています。
歴史的価値のある生地サンプル帳
このサンプル帳は非常に貴重で、世界各国の博物館に所蔵されています。今回参考にしたのは、1907年に作られたもので、100年以上前の本です。生地サンプル帳は世界各国の博物館に所蔵されているものもあるそうです。
1907年に制作された生地ブック。
1ページに8枚の生地サンプルが貼られており、100ページ以上にわたる豊富なサンプルを見ることができます。
特徴的なパイナップル模様の生地
サンプル帳の中でもひときわ目を引くのが、パイナップルのようなデザインの織り生地です。現代の生地には見られない、独特の魅力を持ったデザインです。
生地の詳細な分析と再現
まず、この生地を分解して、使用されている糸を分析しました。糸の太さ、双糸か単糸か、引き揃えの状態、糸の質感やムラ感、綿の長さ、染め方、打ち込み本数などを詳細に調べました。100年前の糸を分析した結果を基に、現代のオリジナル生地を作り上げます。
しっかりとした生地感の再現
ヴィンテージよりも頑丈な生地にするため、縦糸と横糸の打ち込み本数をヴィンテージ見本の倍に増やしました。これにより、度詰めのしっかりとした丈夫な生地に仕上がります。
浮き糸部分の改良
ヴィンテージの裏面には、柄を出すために糸が浮いている部分が多く見られました。このまま再現すると引っ掛かりやすく生地が傷んでしまうため、模様を小さくし、引っ掛かりを防ぐように改良しました。
まるで日本の伝統技術のような染色
ヴィンテージ生地を分析すると、日本の伝統的なかすり染めのようなムラ感のある染色が施されていることが分かりました。
見た目だけではわかりませんが、この染め方があるからこそ、あのように魅力的な柄に仕上がっているのです。
オリジナルの織り方と色のシミュレーション
ヴィンテージ生地の構造を分析し、オリジナルの織り方を考案しました。どのようにすればヴィンテージを超える魅力を持った生地を作り出せるか、何度も生地屋さんと打ち合わせを重ねました。
また、配色のシミュレーションを繰り返し行い、最終的な色を決定。
試し染めと最終の色決定
糸を試し染めし、微細な色の違いを確認しながら、最終の色を決定しました。何度も試行錯誤を重ね、理想の色合いを実現しました。
試し染めもかすかな違いを確認して、進行していきます。
完成したオリジナル生地
こちらが、試し織りを経て完成したオリジナル生地です。100年前の生地の雰囲気をそのままに、現代的な魅力を持った生地に仕上がりました。
裏の浮いた糸部分も、期待通りの仕上がりとなりました。
このオリジナル生地を使用して作ったアパレルブランドのプリクエルのシャツは、長く愛用できる一着です。ぜひ、その魅力をお楽しみください。
S1001 Stand-up Collar Shirt
COLOR : Beige / Blue / Brown
SIZE : 36/38/40/42/44/46/48
QUALITY : Cotton 100%