The Story Born from a Buckle

The Story Born from a Buckle

プリクエルでは現在、フランス製ブライドルレザーと、
1920〜1930年代のヴィンテージデザインをベースにした完全オリジナルバックルを組み合わせた、新作ベルトを制作しています。

目指す発売は2026年秋冬。
ただいまサンプルの仕立ての真っ最中です。

レザーとバックル、どちらも主役となる一本――
今回はその核心であるバックルの厚み決定の工程をご紹介します。



【ベルトに使うのは、時を超えるブライドルレザー】

このレザーの魅力は、

繊維の密度の高さ

ゆっくり浮かび上がる上質な光沢

使い込むほど深みを増す風合い

圧倒的な耐久性

…どれをとっても一級品。

そんな素材に負けない存在感を放つバックルを生み出すため、今回の開発は抜き型(打ち抜き型)作りから完全オリジナルで挑んでいます。

 



【1920〜30年代の美意識を、現代の装いへ】

アールデコの香りを纏い、クラシックながらも気品ある佇まいを。

「ただの懐古ではなく、今の装いに自然に溶け込むフォルムへ」

そんな想いを胸に、細部の調整と再構築を重ねています。



【0.5mmの差に宿る、バックルの個性】

抜き型が完成したら、原型となるバックルベースを真鍮板から打ち抜きます。

今回用意した厚みは 2mm と 2.5mm の2種類。

たった 0.5mm の違いですが、

手に乗せたときの重み

視覚的な品格

ベルト全体の佇まい

…その印象は想像以上に変わります。

軽快さのある2mm、存在感と重厚さのある2.5mm。
悩みに悩みましたが、

「上品さの中に、確かな重みと芯の強さを」

というコンセプトにもっとも合致した 2.5mmを採用することに決定しました。




厚みが決まったことで、次の工程はバックル表面への刻印加工

今はまだただの“素材”でしかないプレートも、
刻印が入った瞬間、プリクエルの顔へと姿を変えます。

バックルひとつで、ベルト全体の物語が変わる。

その言葉通り、デザインの魂が宿る瞬間でもあります。

サンプル完成へ向けて、期待が膨らむばかりです。

楽しみです。

 

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