
Vintage Baseball Shirts
先日、手に入れた一着のヴィンテージ・ベースボールシャツ。
プルオーバータイプで、袖口にはボタンホールが施されたディテール。この仕様は1910年代にかけてのシャツに特有のもの。まさに時代を物語る貴重な一着です。
袖先にはボタンで取り外し可能な仕立てが施され、長袖シャツとしても使える実用性が。こうした機能美は、当時のスポーツウェアがいかに工夫されていたかを感じさせてくれます。この時代は、ちょうどボタンホールミシンが大量生産品に実用化され始めた頃。ボタンも機械で取り付けられており、当時の技術の進化を物語るディテールに心をくすぐられます。
胸元にはフェルトの文字が丁寧に縫い付けられ、アメリカ製ヴィンテージならではの無骨で味わい深い雰囲気を醸し出しています。
そして何より印象的なのが、生地に使われた撚り杢糸(よりもくいと)。ざらりとした独特の質感があり、当時ならではの素材感が手に取るように伝わってきます。
この一着をきっかけに、何か面白い企画ができそうな予感がしています。ヴィンテージという時間の積み重ねを、現代にどう活かせるか。そんなことを思いながら、今、静かにワクワクしています。