PREQUEL Textile Archive

PREQUEL Textile Archive

— 1900年代初頭フランス生地見本帳を起点に —


20世紀初頭のフランスでは、ジャガード織や高度なプリント技術を用いた装飾生地が数多く生み出されていました。
それらは単なる流行の産物ではなく、地域ごとの産業基盤、職人の技術、そして当時の美意識を封じ込めた“記録媒体”でもありました。

現存する生地見本帳は、織物商やメゾン、テキスタイルメーカーが保管していたもので、そこには糸の番手、打ち込み本数、組織構造、配色設計まで、当時の設計思想が凝縮されています。経年による退色や風合いの変化さえも、時代の痕跡として読み取ることができます。




プリクエルの生地づくりは、これらの見本帳を出発点とします。
しかし、それは単なる復刻ではありません。

まず、オリジナルの生地を分解・分析します。
使用されている糸の種類(綿・麻・ウールなど)、撚りの強さ、染色方法、組織構造を細部まで読み解きます。さらに、当時の織機特有のテンションや揺らぎ、糸ムラによる陰影までを観察対象とします。

次に、日本の熟練した職人とともに、その構造を現代の織機で再構築します。
現代的な均一性に寄せるのではなく、あえて“揺らぎ”を残す設計を行い、100年前の空気感を現在の衣服として成立させます。

プリント生地においても同様です。
当時の顔料の発色や滲み方、版の重なりによる微細なズレを分析し、過度に鮮明に再現するのではなく、時間を経た美しさを前提とした色設計を行います。






プリクエルのテキスタイルは、
「過去を写すもの」ではなく、
「過去を読み解き、未来へ翻訳するもの」です。







1900年代初頭のフランスで生まれた意匠は、
100年以上の時間を越え、現代の身体に寄り添う布として再構築されています。

それは、アーカイブでありながら、現在進行形の物語。
プリクエルの生地は、“物語の前章”として、次の100年へと続いていきます。











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